†重き十字架を背負いし罪人の告白†:FearソロMV所感

ブログの内容がめっちゃキモいからタイトルでも振り切ってやろうと思ったら一層救えない感じになった。

ビジュアル系の日常おもしろいよね(新しい●ギ)

 

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《公式コンテンツとして出された自担が首を絞められる映像に大興奮する》という、オタクとしてもかなり最低な部類の業を背負ってこの先を生きていくことになってしまった。どうしてくれるんだ。どうもしない。そのまま生きるしかない。のでブログを書きます。

 

自担の、二階堂高嗣のFearソロMVが良すぎた!!!!!!!!

自分に権力があったら絶対自担にドラマの仕事を与えてるし、めちゃくちゃおいしい役に抜擢されるように図るし、その役がきっかけでバカ売れするように仕掛けてしまう。

あ~~~テレビドラマのキャスティングを意のままにできる権力どっかに落ちてないかな~~~!

こんなこと言ってる時点で、つくづく自分がそういった権力から遠く離れた世界に生きててよかったとは思うが、そのくらい二階堂高嗣にはたくさん演技のお仕事をやってもらいたい。Wikipediaの出演作品リストが長すぎて読むの嫌になるくらい演技の仕事をしてほしい。それだけ私はこの人の表現が好きだ。

 

以降好きなポイントについてつらつら書いた。一応ネタバレ注意。

全部主観だしキモオタの拡大解釈の極みなんですけどね。

あと便宜上相手のことをマイコと呼びます。マイコ、なんて便利な概念。

 

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好きなポイント①:視線の動き

凝視から視線をそっと外すまでのその一連の流れがやけに儚い。目を潤ませながらまっすぐ画面を見つめる、その強い視線をそっと伏せることで、抱える苦悩や複雑な心境が見る人の中に浮かぶからなんて効果的なんだ、と思う。顔しか映らない、一歩間違うと一本調子になりそうな映像にアクセントを与える効果もあって良い。首を絞められるシーンの直前にも視線を外すカットが挟まるのが、”迷い”みたいなのを匂わせていて、よりドラマ性を深めている。

 

好きなポイント②:微笑み

マイコを視線の先にとらえた時に浮かべる微笑み、そしてマイコに撫でまわされながら浮かべる微笑み。自担の浮かべる微笑みが二人の関係の危うさを際立たせている。マイコに撫でまわされている自担、大好きな飼い主にかわいがられている子犬みたいでちょっと気持ちよさそうな感じがかわいい。かわいいのに色っぽい。小動物みたいにかわいい顔した男が不釣り合いな色気を纏っている。どういう心境でこの映像をみればいいかわからない。わからないけど最高なのはわかる。

 

好きなポイント③:受動の姿勢

基本的にマイコにされるがままなのが何とも言えない背徳感の根源になっている気がする。マイコにもみくちゃに撫でまわされながらシャツを脱がされるところ、マイコの手の動きに合わせて添えていた手がストンと落ちるところ、お人形さんみたいな無機質さと無力さがあってそわそわする。脱がされて露わになる肩が、思った以上に薄くて骨ばっていることにもそわそわする。この映像を見ていることに謎の罪悪感が湧いてくる。湧いてくるのに凝視しちゃうんだよな、最低なオタクだから。。。

 

好きなポイント④:首を絞められた時の顔

首を絞められるシーンでちゃんと苦悶の顔をするアイドル最高~!!!!!私は最低

まず首を絞めるマイコの勢いが良い。殺意を感じる。その殺意を無抵抗に受け入れる自担。無抵抗に首を絞められながらも、酸素取り込もうとして眉間に皺を寄せつつ鼻の穴広げて呼吸する自担。わずかばかり右目を細め、睨むような顔つきでマイコを見つめる自担。なんでここのシーンにこの量のリアリティ詰め込んだの!!?!?!!最幸😆✨ここで最幸という単語を使うな

MVのコンセプトが浮世離れした感じだからこそ、このシーンの生々しさが一層際立つ。生臭くてドロドロした後味。血の通った、やけに生々しく《生》を感じるワンシーンに仕上がってて大変に良い。

 

好きなポイント⑤:ストーリー性

蜃気楼で見送った女は自担のこと連れて行ってくれなかったねぇ・・・・・・🥺

なんでここで蜃気楼が出てくるのか、それは私は2018年ライブツアーYummy!!で披露された「蜃気楼」のパフォーマンスについて、単なる悲恋というよりは死別を見出したオタクだからである。あの時自担の腕の中にいた女は確実に死んでいるし、自担はその女の影を求めるも、近付けば蜃気楼の如くに消え、触れることすらかなわない。そういうストーリーを見出した。

何でも好き勝手解釈し、手前勝手なストーリーをこじつけては自分に都合よくコンテンツを消費する。オタクとはなんとも浅ましい生き物である(巨大主語)。

そういうのもあって、その蜃気楼の時死に別れた女が自担を迎えにきた、それがFearのMVであるという解釈が、自分の中であまりにもしっくりときすぎた。それを踏まえたうえで、改めてこのソロMVを解釈したのが以降である↓

 

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あらすじ

一羽の蝶に誘われて森に足を踏み入れた男は、振り向いた先にある人物の姿を捉える。それはかつて死に別れたはずの恋人だった。

すでにこの世にいないはずの彼女が現れたことに、彼は驚き、半信半疑の念を抱く。しかし自分に触れる掌の感触は、あの頃の彼女と同じだった。そして、あの日蜃気楼の如くに消えた影とは違って、目の前にいる彼女に触れることができる。その喜びから、男は次第に目の前の女を受け入れ始めていた。

女は、執拗なまでに彼の顔や首に手を這わす。殺したいほど愛おしいと言わんばかりの情念がそこには籠っていた。その情念の強さに、男は若干怯んだものの、覚悟を決め、彼女のすべてを受け入れることを決意する。

無抵抗な彼の首を、ついに彼女は絞め上げるが、何かをあきらめたように力を緩め、再び男の元から去っていく。男は彼女を引き留めることもできず、再び絶望の中に独り取り残されるのだった。

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背景色:黒にしてこのページ開いた人を「●●人目の彷徨える子羊」に仕立て上げたい仕上がりになっていまいました。しんど。

 

でもこういうストーリーラインが見えてくるくらい、2分40秒ほどの映像の中にドラマが盛りこまれているように思った。このドラマチックさの演出に一役買っているのが、細かい表情の変化であると思う。

 

まず、①でも触れたが、目を伏せる(カメラから視線が外れる)カットの差し込まれるタイミングが、男側の心境の複雑さ、割り切れなさを描くのに大きな効果を発揮している。

最初に目を伏せるカットが挟まるのは、以下の2箇所である。

  • 0:40 マイコが触れるシーンの直前(1回目)
  • 1:25 首を絞められるシーンの直前(2回目)

前提として(仮定の話にもなってしまうのだが)、視線が与える印象についてあらかじめ認識を合わせておきたい。

正面を凝視するカットから首を絞めるシーンに移行する場合と、一度視線が正面から外れた後に同様のシーンに移行する場合とでは、観る側に与える印象は大きく変わる。「画面の中の人間が苦悩している」と解釈しやすいのは、おそらく後者だろう*1

それを踏まえたうえでそれぞれのシーンを吟味したい。

1回目については、マイコの手がそもそもフレームインする直前でもあり、この段階では、マイコの存在は自担の視線の先にいることしか示唆されていない。長い間正面を見つめる=マイコを見つめる自担ではあるが、そこから目を背けてしまうのは何故だろうか。その人に対して何かしらの後ろめたさを抱えているからか、それとも他の理由であるのか。どちらにしても、単純に出会えたことへの喜びだけが胸の内を秘めているわけではないのは確かだ。

2回目については、「首を絞める」という、このMVの山場ともいうべきシーンの直前のカットであるため、そのシーンの意味を一層深いものにする役割を果たしていると見ることができる。どのような流れでマイコが自担の首を絞めることになるのか、その詳細について、視聴者に言葉での説明は一切なされない。しかし、目を伏せるカットが挟まることによって、首を絞めたい(=殺したい)というマイコの欲求と、その欲求の全てを受け入れられない(=若干の抵抗を覚える)自担という、そんな構図が浮かび上がる。そしてその構図は、そのまま首を絞められた時の表情の背景としての威力を発揮する。

首を絞められるシーンでは、④に既述しているが、やけに生々しく苦悶の表情を浮かべながら、マイコを睨みつける自担のカットが挟まる。ただその直前、マイコが首に手をかける寸前には、比較的柔らかい顔で、マイコの欲求を受け入れる覚悟をするような*2、表情をしている。こう書き出すと、首を絞められる前後で、表情の落差が激しい。それを整合性が取れないと言うこともできるのだが、マイコと自担のアンバランスな構図を踏まえて見ると、途端に彼らの不均衡の上に成り立つ、割り切れない関係性が迫ってくる。

このように、視線を外すカットが随所に差し込まれるのは、心情や関係性を解釈する上で、大きな役割を果たしているといえる。

 

次に、微笑むタイミングについて。

自担が微笑むシーンは大体以下の時間帯に集中している*3

  • 0:43 マイコの手が初めて伸びてきたとき
  • 0:53 マイコの手で顔を撫でまわされているとき
  • 1:02 マイコの手が後頭部~首を撫で落ちるとき
  • 1:47 首を絞められたシーンのあと、マイコの手が離れていく寸前まで

こうやって書き出してみると、マイコの手がフレームインしているときにだけ微笑みが浮かんでいるのがわかる。また、このMVが大まかに3つのパートで構成されていることも導き出すことができる。

3つのパートとは以下の通りである。

  1. モノクロ画面パート:冒頭~マイコの手がフレームインするまで
  2. 真っ赤な画面パート:マイコの手がフレームインしてから首絞めを含む一連のシーン
  3. カラー画面パート:マイコの手がフレームアウト~終盤まで

「モノクロ画面パート」は、基本的に強い視線をまっすぐ正面に向けるカットが中心で、表情の変化は他のパートに比べて乏しい。目を潤ませながら、若干顔の角度を上に向けてデコルテを晒すカットは、このパートの中でもかなり象徴的である。まるでマイコにすべて明け渡すような表情でもあるのだが、この直後に1回目の視線を外すシーンが挟まるので、その移り変わりで、内面の揺れ動きみたいなものを表現しているように思う。ただこの最中に微笑みが混じることはない。

「カラー画面パート」では、焦りと絶望の混ざったような表情を浮かべたかと思うと、呆然と取り残された表情が映し出され、最後は彼女がいなくなったことを悲しみ、未練のうちに咽ぶような表情に移り変わる。そんな一番表情の変化が激しいパートである。マイコが手をかけた首の、その跡をなぞるかのように手を這わすのが、未練みたいなものを見せつけてきて、マイコへの感情が希釈されずにドロドロ溢れ出すような、そんな印象すらある。そしてこの激しい表情の変遷の中にも微笑みはない。

つまり、微笑みは「真っ赤な画面パート」にのみ現れる表情であり、マイコとの触れ合いの中にふと浮かぶ表情でもある。マイコの手がフレームインしてから時間が経つごとに画面は赤みを帯びていき、触れる範囲も両頬、側頭部、後頭部、首、肩、鎖骨とどんどん広がっていく。その中に一瞬混じるかすかな微笑みは、切なげでもあり、優しくもあり、射貫くようでもありと様々な感情を滲ませている。

ちなみに、「真っ赤な画面パート」において、自担だけ唇をマイコの指が押しつぶすシーンがない*4。そのせいかはわからないが、マイコとの触れ合いの中には、飼い主が飼い犬を愛でるかのようなハートウォーミングさも垣間見える。そしてその時浮かぶ微笑みは、2人の思いが通じ合っているような印象を与えてくれる。きっとマイコが生きていた頃にも、こうやって幸せな時を過ごしたのかもな、と想像させてくれる瞬間でもありつつも、赤という色の喚起する不穏さの中で描かれるにはあまりにもピュアなやりとりであるため、かえって過ちを犯しているかのような、どこか危うい雰囲気が漂わすことになっている。

 

以上、「目を伏せる」「微笑み」2つの表情に着目して、その表情がMVの中でどのような効果を与えているかを考察してきた。これらの表情が単に映像にメリハリを与えるだけでなく、画面の向こうの人間の心境や、二人の関係性についてなど、明確に描かれない部分への想像を掻き立てるのに大きな効果を発揮していると結論付けたい。

 

 

というわけで好きなポイント終わり!①~④と⑤のテンションの差よ。項目の分かれ方が系統だっていないのはご愛嬌というか・・・どんどんマジになってしまったというか・・・

⑤を書くために何回MV見たかわからんし、毎回顔がよすぎて呻いてたし、その都度新しい発見があって解釈広がるからまとめるのたいへんだった。

あと冷静に考えて2分40秒の間、顔面だけ映し出されて画が保つのやばい。きれいだよ、たかし・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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こっからさらに主観マシマシ贔屓目2000%のキモオタの語りだよ!

 

このMV撮影に関して、自担は雑誌等で、細かくディレクションを受け、それを表情だけで表現するのが難しかったと語っていた。踊るMVより消費カロリーが高かったとも*5

Music Videoメイキングドキュメント映像では、「どうなるかわかんない・・・」とすごく頼りなさそうな声で語っていた*6

でもディレクションに従ってこれだけのドラマを提示できているのは(しかも表情と最低限の動きだけで)、なかなかすごいことなのでは?と思う。

少なくとも裏で「どうなるかわかんない」言ってる人間がこんな感情グチャグチャに掻き乱してくるMV出すって思わないんですが・・・なんなんだよ・・・絶対テスト前に今回まじで勉強してないわ~wとか言って90点くらい取る奴のムーブじゃん・・・実際に自担がテスト前に勉強してないって言ったら本当に勉強してないとは思いますが・・・すべて物のたとえです・・・

改めて思うのは、やっぱり自担にはどんどん演技の仕事やってほしいなぁ、ということです。どんだけ長ったらしく語ろうと結局はこれに尽きる!それだけの表現力が自担には備わってると本気で思ってるし、各種コンテンツに触れるたびにそう感じる。

 

あ~~~どっかにテレビドラマのキャストの決定権落ちてないかな~~~!

舞台のキャスティングの采配も自分の手に委ねられてえな~~~!

 

やっぱり私は権力から遠い生活を続けたほうがいいのかもしれない。

 

 

 

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

二階堂くんに演技のお仕事がたくさん来ますように!

*1:もちろん、敢えてまっすぐ正面を見つめるカットを挟むことで、苦悩を描写する演出もあるとは思う。ここでは、ややステレオタイプじみてはいるものの、より多くの人に同じ印象を与えようとしたときに、どちらが効果的か、という観点に立って論じている。

*2:息をのむように喉が上下するのでこう解釈する。

*3:微笑みに関しては口角が何度上がった時とか明確に定義することができないので、あくまで微笑みと解釈できる表情の時をカウントしています。にかちぁのおくちがよりωになってかわいいシーンだょ🥺顔がかわいいのにだいたいえっちで大変困るんですが・・・。

*4:他のメンバーは多かれ少なかれ唇むにゅってされるパートあった。

*5:週刊TVガイド 2021/9/24号 28頁。

*6:Fear 通常盤特典DVD。